外国人向け高級テラスハウス
2ユニットが重なった集住体。
550㎡ 分のリュームの構えとなって街並みの整えにも積極的に貢献。
前面道路側の4Mの跳出しがファサードの表情として特徴的。
広尾の日赤医療センター近くの東斜面頂部の見晴らしの良いロケーションに重層長屋集住体として建つこの建築は、都心における近未来集住体の在り方として典型をなしていよう。
北側隣地の鬱蒼とした木立を室内の各シーンに借景として積極的に取り込もうとすることで、情景が楽しく移りゆく寛ぎに満ちた豊かな内部空間作りを目指している。
構造的な特徴としては、①300厚の無梁スラブをバランス良く配された支持柱( 壁) に乗せていること、②南側には4M 奥行きの跳出しスラブを前面道路に向かって突き出し駐車スペースとして下部を開放していること、以上の2点が挙げられる。南側の前面道路から見て向かって右側の東面の側壁を梁扱いとしてこの大型の跳出しが達成されている。下部を駐車スペースとして悠々と開放し外観の印象を形作っている。
個に閉じこもって細分化し続けるのではなく、集まって住まうことにより日本における市街地住宅としての「うさぎ小屋」は改善出来よう。裏手の森の緑が秀逸な本件のような長屋住宅は都心の高級住宅地において現時点ではたとえ「点」に過ぎないとは言え、いずれは「面」としての広がりを持つ必然性がある。
本件がコンパクトシティ実現のための好実例として参照され、日本の街並みを美的に改善する一助になって欲しいと考える。
計画利回り | 9.0% |
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延床面積 | 552.20㎡(167.0坪) |
階数 | 地下1階~1階、2階~3階 |
間取り | 3LDK、5LDK |
最寄り駅 | 東京メトロ 日比谷線 広尾駅 徒歩 |
内部デザインの主要素は透かし積みスクリーンに用いた大型立体タイルに他ならない。土を捏ね焼成されたことで皮膚感覚の延長としてヒューマンなぬくもりを感じさせ、寛いだ気軽な雰囲気のインテリア空間実現を助けているはずである。住み手が自信をリクリエイトできる住まいらしい場の創り込みを意図した。
物件概要東京都渋谷区 2軒長屋(テラスハウス)
- 名称
- Hiroo Flat
- 構造
- RC造一部鉄骨造 地下1階地上3階建て
- 敷地面積
- 318.64㎡(96.4坪)
- 建築面積
- 190.32㎡(57.5坪)
- 延床面積
- 552.20㎡(167.0坪)
- 竣工
- 2009年6月
- 戸数
- 2戸
- 設計企画
- JWA建築・都市設計